愛知学院大学 禅研究所 火曜参禅会

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研修旅行レポート

北海道平成09年度 道南の洞門名刹と松・函の史跡を訪ねて

研修旅行 北海道 写真1

 平成9年度は、8月31日より9月2日の日程で、「道南の洞門名刹と松・函の史跡を訪ねて」と銘打つて、函館・松前を中心に南北海道の歴史と文化、そして自然に親しみました。参加者は、37名でした。

 1日目は、空路函館に入り、函館より上磯のトラピスト修道院を経て、最北端の城下町、松前に向かいました。松前では、松前城・藩屋敷見学の後、藩主の菩提寺(法幢寺)や大本山總持寺別院(法源寺)・龍雲院の禅刹を拝登し、歴史の面影と栄華の跡をたどりました。

 2日目は、かつて二シン漁や北前船交易で栄えた江差を訪ね、往時を偲ばせる街並みや文化財を見学し、さらに足を延ばして新日本三景の一つ大沼国定公園の緑豊かな自然に触れ、函館に戻りました。夜は函館山に登り、世界一の夜景を堪能しました。

 2日目は、雨の朝市を楽しんだ後、函館最古の寺院である高龍寺を拝登し、さらに、トラピスチヌ修道院・五稜郭公園を経て、異国情緒の漂う元町界隈を散策し、道南の不思議な魅力に感動を覚えながら帰途につきました。

研修旅行に参加して足立 月三

研修旅行 北海道 写真2

 道南の研修旅行に参加できましたことを大変喜んでおります。総体的に申しますと、私は今までに五稜郭やトラピスト修道院等は既に行ったことがありますので、これと云った新たな感激は余りありませんでした。又数ヶ所の寺院をお参り致しましたが、こんなことを云っては参禅会員としては不謹慎だとお叱りを受けるかも知れませんが、私にとってはどの寺院も皆同じ様に思えて、特にこれと云って申し上げることはありません。唯、今度の研修旅行で一番強く印象に残ったのは、何と云っても函館山の夜景でした。以前に道南を廻った時には函館山へは行くことが出来ず、非常に残念に思っていましたのが、今回は幸いにも天候に恵まれ、世界の3大夜景の1つと云われている実に素晴らしい夜景を見ることが出来ました。命のある内に世界の3大夜景を見終ってから死を迎えたいと云うのが私のかねてからの念願であり、既に他の2ヶ所の夜景は見ておりますので、残る1つが函館山の夜景でありました。これで3大夜景をすべて見ることが出来ましたので、満願と申しますか、もう思い残すこともなく、何時どうなってもよいと云う満足感で一杯です。

 これまで参禅会には殆ど出席しておりませんが、この研修旅行だけは出来る限り参加させて頂いています。それにしても寺院と云うのは坂道、階段の多いのに今更ながら驚いております。もう少し平坦の地にあればなあと云うのが偽らざる感想であります。
私も73と云う高齢になり、糖尿病と云う持病もあり、平素身体には充分気を付けているつもりですが、最近特に足と目が弱って来て、この研修旅行も今後何回参加出来るのかと非常に不安を感じております。

 いつも解団式の時に申している通り、身体と金の続く限り参加するつもりですので、次回以降も是非お誘いをお願い致します。

研修旅行に想う伊藤 明

研修旅行 北海道 写真3

 今回もまた参禅会の道南旅行に参加出来た。

 それにしても、第1回の中国天童山の研修旅行が想い起こされる。あれから20年程になるだろうか、学院の皆さんと行ったあの時が、私にとって一生忘れられない想い出であった。焼け付く様な猛暑のなかを、ガタガタのバスに揺られ、6、7時間も経て天童寺に着いたときは、身も心も疲れ果てて、皆さんが、物を言う事すら出来ない状態だったのが、今でも心に焼きついて脳裏から離れることがない。今年も道南の旅に同行させて戴き、大変勉強になったと、しみじみ思う事ばかりだった。北海道は研修会の道東の旅以外に5回程訪ねたが、函館方面は初めてであり、国内でこの様な牧歌的地方があったと言う事は信じられない思いであった。

 函館の空港に降りたったとき、まず最初に感じたのは空気がきれいで澄んでいた事だった。この3日間の研修がきっと楽しいものになるだろうとの思いであった。トラピスト修道院から始まった研修は、松前城、龍雲院、總持寺別院、高龍寺等多くの寺院参拝等々、最終日は函館の市内見学で終ったのであった。

 研修が終って、1ヵ月程を過ぎてから新聞紙上に、東北地方には松前城と全く同じ城が現存すると聞き、心騒ぐ想いがした。何といっても驚き感激したのは、五島軒の食事のことであった。カレーライスの味は別として、室内装飾の豪華さは、何処の地方都市にもない文化が偲ばれた。

 函館は詩人石川啄木が清貧の時を過ごした街であり、私の若い頃から、大変に関心があった町であった。

 函館の青柳町こそ悲しけれ 友の恋歌矢車の花

道南名刹を拝登して堀場 光保

研修旅行 北海道 写真4

 南北海道の松前・江差・函館をめぐり、我が曹洞宗の古刹・名刹各寺院を拝登させて戴きました。

 松前藩主の菩提寺である法幢寺では、本堂・庫院とも、さすが古刹であると痛感致しました。特に庫院は漆喰塗であり、風土に合っていると思いました。また、裏山の素晴らしい大庭園は、松前城の導水路を兼ねて築造されたとの事ですが、これだけの庭園を維持管理するのは、資金面でも大変な事だと感じました。

 北海道最古の法源寺(大本山總持寺北海道別院)の山門は、17世紀中期に建てられ、道内に現存する最古の寺社建築で、国指定の重要文化財です。現在は無住という事で拝登できませんでしたが、別院であれば早急に住職を任命し、堂宇を維持管理しなければ、逐次荒廃して行くのではないかと残念に思われます。

 江差の正覚院では、大庫院が新築されたばかりで、入って正面の大広間(床敷)は天井が高く、大型扇風機が設置してあるとの事でした。晋山結制を修行した直後で、戒師寮はもとより、両班寮、知殿寮迄も、各部屋に単牌が貼つてありましたが、私ども末派寺院では、両班寮、知殿寮は開山堂の中で顔を突き合わせるような狭い所に居ます。如何に立派な、スケールの大きい庫院かと吃驚しました。

 函館最古の高龍寺は、江戸時代、寛永10年に開創され、以後たびたび災禍に見舞われたものの、明治33年に立派な本堂が竣工され、次いで明治44年には華麗な山門と諸堂が建立されました。特に感嘆致しました事は、本堂内の欅の丸柱が36本もあるという話でした。大本山級以上の寺院であり、私の寺の4本丸柱の本堂とは、あまりにも掛け離れたスケールの偉大さに、吃驚仰天致しました。また、新築の大庫院の2階の大広間(120畳)等にも同し思いでした。

 尚、浅学非才の身ですので、禅研究所参禅会研修旅行の栞で勉強させて戴きました。誠に有り難うございました。

 “一期一会で報恩感謝”

北海道と私五十嵐 房子

研修旅行 北海道 写真4

 名古屋に生まれ育ち、以来他の土地での生活の経験のない私は、せめて旅行でなりと外を見てみようと機会があれば出かけることにしています。

 最初に北海道を訪れたのは12、3年ほど前のこと、どこかで見たサロマ湖の美しい写真が忘れられず、憧れの地を求め道東の知床から北へ北へと向かう旅でした。オホーツク海、稚内、宗谷岬、礼文島、利尻島、行く先々で出会う写真さながらの雄大な風景は、まさに感動の連続でした。

 数年後、道南に行くチャンスがあり函館の異国情緒漂う町を中心にゆっくり散策し、前回の旅とは違う一面に触れ、また一段と北海道好きとなりました。

 今回の研修旅行が3回目の北海道行きです。1日目の松前は、北海道唯一で最北の城下町として500年の歴史があり、桜の季節の美しさはそれは見事だと聞きました。昭和36年に再建された松前城天守閣や、公園の一隅に再現された町並みに、当時の松前藩の栄華が偲ばれ、一瞬時が止まったような心地がしました。途中で食べたかき氷のひんやりした美味しさも忘れられない思い出になりました。

 2日目の江差では、重要文化財となっている海産物問屋とニシン漁全盛期に建造された網元を見学しました。桧やニシンの集積地としての繁栄の面影がここかしこに見られ、感慨深い訪問でした。

 その夜はまた素敵な体験ができました。函館の夜景見学です。本当に美しく、飾る言葉がありません。さすがに世界屈指といわれるだけあります。

 3日目はまず有名な函館朝市へ出かけました。たいへんな賑わいでしたが、あれこれ土産物を選ぶのも旅の楽しみのーつです。

 帰名前、最後に立ち寄った五島軒では、昭和天皇も食されたという鴨カレーをいただきました。時間の都合でゆっくり味わうことができなかったのは残念でしたが。

 今度の旅で拝登した寺院は松前の法幢寺・龍雲院・法源寺、江差の正覚院、函館の高龍寺です。それぞれ広い境内に、樹齢に思いを馳せる大木とそれに守られた立派な造り。歴史の重みが胸に迫る思いでした。

 またいつか機会を見つけ、北海道を訪ねたいものです。美しい風景、華やかな歴史、荘厳な歴史、美味しい食物。そういった出会いを求めて。

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