愛知学院大学 禅研究所 禅について

愛知学院大学 禅研究所 禅について

禅書のしおり 平成08年度

東隆眞著『太祖瑩山禅師』(国書刊行会)

 曹洞宗では、瑩山禅師を道元禅師の伝えた正伝の仏法を弘めた祖師として、太祖と崇め、高祖道元禅師とともに両祖と称しています。しかしながら、一般的に瑩山禅師についてはその名すらしられていないのが実状です。

著者・東隆眞氏(駒沢女子大学学長)は、瑩山禅師研究における第一人者であり、持論として「道元禅師を正しく理解するには、瑩山禅師をほんとうに理解しなければ不可能である。逆に、瑩山禅師を理解するには、道元禅師を本当に理解しなければならない。」と述べられています。

本書では、このような姿勢に立ち、「道元禅師から瑩山禅師へ、なにが、どのように継承され、展開されて来たのか」「登山禅師の独自性は何か」という点に重点を置き、瑩山禅師の生涯を通じて、様々な角度からその人物像を、比較的平易な解りやすい文章で論じられています。瑩山禅師ひいては曹洞禅の根源を知る上で絶好な一冊といえます。

楢崎一光著『禅語入門』(カッパ・ビジネス、光文社)

 元大本山永平寺副貫首、楢崎一光老師(平成八年七月遷化)の著述であり、老師のおりおりの法話や宗門の雑誌などに掲敢された原稿をまとめたものです。

老師は四国瑞応寺専門僧堂の堂長を50余年もの長きにわたり務められ、道元禅師の教えを国内外に弘められました。

本書は一般的な禅語解説にとどまらず、「洗面・洗浄」・「典座」・「応量器」など二六項目の禅語をあげ、日常生活の一つ一つの行い、自己の足もとに仏道があることをやさしく解説しています。

特に各章末には「一転語」(簡潔な語句で禅の真髄を示すことば)として、生涯道元禅の参究に努められた、老師の体験からにじみ出たお言葉が加えられています。

これから参禅してみたい人、禅に興味をもっている方、現在、禅に親しんでいる方々にも、ぜひ、拝読していただきたい禅のコンパクトな入門書です。

愛知学院大学 フッター

PAGE TOP▲