愛知学院大学 禅研究所 火曜参禅会

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研修旅行レポート

中国平成08年度 仏像のふるさと雲崗石窟探訪の旅

研修旅行 中国 写真1

 平成8年度研修旅行は「仏像のふるさと雲崗石窟探訪の旅」(7月26日〜31日)という課題のもとに、中国の仏教史跡の旅を実施いたしました。参加者は28名でした

 1日目は、北京を起点として15世紀初頭建造の明・清代の皇宮紫禁城(故宮博物院)や天壇公演などを見学し、夜行列車で大同へ向かいました。

 2日目は、北魏時代より開削が始まった中国最大の石窟の一つである雲崗石窟を訪ね、石像の雄大さと彫刻の精巧な美しさに魅了されました。午後からは、上下華厳寺・九龍壁を見学後、谷を隔てて絶壁にそびえる独特の風情ある懸空寺を拝観しました。

 3日目は、世界最古の木造建築の仏塔として知られる仏宮寺釈迦塔を訪ね、中国古代建築の至宝にふれ、中国最大の仏教聖地五台山へ向かいました。

 4日目は、五台山五大禅処の一つであり、文殊菩薩の居所とされる菩薩頂や、規模が大きく最古の歴史を有する顕通寺を拝観した後、碧山寺・殊像寺・普化寺など文殊菩薩の諸道場を訪ねました。

 5日目は、中国最古の木造建築を有する南禅寺の大殿を見学し、大原の崇善寺・双塔寺を拝観しました。

 6日目は、太原から国内便で北京に戻り、中国最大のラマ教寺院東和雍宮や天安門広塔などを見学し、中国仏教盛衰の跡を偲んで無事帰国の途につきました。

遥かなる地、大同雑感西川 禎信

研修旅行 中国 写真2

 遥がなる大地、悠久の歴史、ロマンの国「中国」、こんな思いを馳せながら、1979年夏初回訪中をなしてから、この度の禅研中国旅行が、私にとっては13回目の記念すべき中国仏教史跡探訪の旅となった。北京より寝台列車に揺られ、早朝大同市駅に到着。駅やその周辺はまったく変わっていない。この大同市には、10年前に1人旅で訪れた思い出の地でもあり、なつかしさがこみ上げてくる。

 中国三大石窟の1つ雲崗石窟、上・下華厳寺、世界最古の最も高い木造建築仏塔のある仏宮寺釈迦塔、大同市より車で3時問余りかかる山中断崖に建つ懸空寺等は、大同市近郊に点在する国内有数の仏教遺跡や中国仏教芸術の宝庫地であると同時に、この地を訪れる人々に言い知れない感動と歴史ロマンをはぐくみ与える。こんな素晴らしい地に再度訪れることができ、同じ旅路を歩いていると、いつしか心はタイムスリップし、過去と現在とが一体となれるから不思議だ。これもこの地が、他都市の急激な変貌とは無縁のように、ゆっくりと時を刻み続ける悠久の地であるからだろうと実感した。

 この大同巡拝の中でも特に印象深かったのが「断崖に建つ古寺、懸空寺」である。以前ここを訪れた時は、道路も悪く黄土砂塵をたてて車がひたすら走り、人も訪れないような僻地であり、2度と来れない所と思っていた。その矢先、偶然にも京都在住の日本画家堂本元治画伯が日展に懸空寺全景を見事に描写された作品を出展。まさか名古屋で懸空寺に出会えるとは夢にも思わなかった。絵画に対する感銘と画伯が未踏の地に行かれた冒険心と心意気に共鳴し、それ以後画伯のファンとなり作品を追っかけている。1枚の絵画が自分の芸術観を変え、さらに、懸空寺再訪の夢へとつながり、今回の禅研中国旅行が、まさに、10年来の夢想実現の懸橋となつた。感謝・感謝!

断崖に建つ殿宇楼閣、
美しき壁画を見るが如し、
先人太白、その絶景を拝し
「壮観」と絶句賛嘆す。
心境かすかに我に伝う、
懸空古寺。

終わりに、美しい旅行ができたことに感謝し、禅研究所益々の発展とご活躍を祈念します。

中国研修旅行に参加して大橋 雍子

研修旅行 中国 写真3

 今回の中国研修には、愛知学院大学に通う娘と一緒に参加させていただきました。中国は以前から行ってみたい国の一つでした。しかし、事前に、食事の面、宿泊の面を色々聞かされ、多少は不安でありました。トランクに多量の水、食糧、薬等をつめこみ出発しました。北京の暑さは日本と同様、蒸し暑く、これから始まる旅の無事と体力をいかに保つかを肝に銘し、行程に入りました。

 メインの一つである雲崗の石窟は、いうまでもなく広大ですばらしいの一語に尽き、人間のなせる力、信仰の厚さを肌で感じたのでした。大同から私達を乗せたバスは一路五台山へ向ったのですが、そのバスたるや、くねった山道をクラクションを鳴らしジェットコースターのごとく、上り下りを何時間も続け、運転技術のすばらしさよりも恐怖の方が先で、今でも忘れることができません。

 五台山には数々の寺院が存在しています。どの寺院を拝登させていただいても、寺の歴史、建物の精密さ、仏像の大きさに目にみはるものがありました。

 私が一番感じたことは、日本人がいかに恵まれているかということです。中国の子ども達は、旅行者を見ると物をねだったり、店の人は、物を買ってくれるまで側を離れなかったり、その日1日を生活するために必死です。物が十分すぎるくらいあふれている日本では、幸せを自覚することは難かしいのかもしれません。

 このような様子をまのあたりにみて、日本の豊かさは決してあたりまえではないと、感じずにはいられませんでした。自分達の生活に不平不満をいって、欲しいものは何でも手に入れようとしますが、本当にこのままでいいのでしょうか。

 私達は、今後物の豊かさではなく、心の豊かさを追求する必要があるのではないでしょうか。こんな思いをして、この旅行を終えました。

中国の旅―その感想―ジョセ・ダ・コスタ 黙元

研修旅行 中国 写真4

 日本に来て5年目になりました。昨年は、大本山永平寺に安居していました。その時、ご開山さまが行ってこられた中国へ行きたい気持ちが出てきました。正直言って、私の生まれた国ブラジルでは、中国は遠い遠い国で、その国へ行こうなどとは思いもよらないことでした。このような機会をつくっていただいた愛知学院大学禅研究所の皆さんに、心から感謝を申し上げます。

 7月26日、飛行場のロビーヘ行き、大学の説明会であった人たちに出会い旅行の不安から解放されました。今の中国について、私はなんの知識もありませんでした。禅の公案やご開山さまの足跡を通して、ほんの少しの理解しがありません。中国の歴史については、まったく学習したこともなく、また国で夢にもみたことかありませんでした。そんな不安の中、みなさんのお顔をみて心強く思い、そして安心しました。飛行機に乗り、その中で本山で思ったことが思い出され、胸がいっぱいになりました。日本海にでたころ、わたしの数日前の準備をおもいだし、その時カメラをもってくることを忘れたことに気がつきました。ブラジルに帰ったとき、皆さんに見てもらおうと記念の写真をとろうと計画していたからです。しかし、岡島先生にカメラをお借りして、旅行が楽しく続けられ、また記念の写真をとることができました。中国に入ると、日本の景色とちがい土の色が私の目にたくさんはいってきました。

 北京につきホテルに案内され、市内見学へ出かけました。故宮や雍和宮、そして天壇公園へ行きましたが、見たこともない大きな建物にはまったく驚かされました。私の生まれた国も、国土の広さは中国とたいして変わりはありませんが、建築物の巨大さ、その色彩のゆたかさにはかないませんでした。なぜそのようなものをつくるのか、まったく理解ができませんでした。これからの旅行が楽しみになった一日でした。夜、北京を列車で発ち大同へ向かいました。列車に乗って旅をするのは、私にとってめずらしいことであります。朝方、大同の駅について、ホテルで休みましたが、あまり日本語になれていませんので、いつもみなさんの動きに気をつけ、集合場所とその時間に注意して迷惑をかけないようにしていました。

 大同の街なかを通り過ぎて、山の方にバスは向かいました。着いた所が雲崗石窟でした。大きな石に仏さまが彫つてありました。その仏さまは、日本で見た奈良の東大寺の大仏とおなじくらいのものでした。ここでも私は、おどろきそして不思議に思いました。また仏教の偉大さを発見しました。人間が小さな道具を使って、このような石の仏さまを作り、手を合わせて礼拝する、それは本当に不思議なものでした。夏の中国は暑い。しかもバスを降りたところから、見学の所までいくのに階段があり、そのあいだの長さはたいへんでした。おかげさまで私は、慣れていましたので苦しくはありませんでしたが、年輩の人には大変なことであったと思います。私は、バスの移動に慣れていましたが、道の悪いところもあり、車がゆれ、故郷を思い出し、なつかしく感じました。中国のどこでも、子供たちの元気できれいな目をしているのには、なぐさめられました。五台山は、平原から高い山の中に入り、ほんとうに美しいところでした。かずかずのお寺をお参りしたのですが、仏塔も大きく、建物も立派でした。とくに文字の美しく、そしてどうどうとした漢字には、あっとうされました。日本語の「ありがたい」という言葉の意味が、なんとなくわかるような気がしました。山の中にたくさんのお寺があり、中国の仏教聖地としてふさわしいところと思いました。そして、この五台山には、文殊菩薩さまが住んでいると教えられ、いよいよありがたく思い、好きなところになりました。太原に移動し、街の中に入りました。街の中にあるお寺を見学し、お参りさせていただきました。

 私は、日本語に不自由でありますので、思うようなことは表現できませんが、禅研究所の中祖先生をはじめ、諸先生に大変お世話になりました。迷惑をかけたことがたくさんあったことと思います。お許しください。旅行社の人の計画と私たちへの案内、通訳の人の親切、私にとって旅の間を楽しく過ごすことができました。ほんとうに皆さんのおかげで、ご開山さまの行かれました中国に入ることができ感謝しております。ねがわくは、機会がありましたら、ご開山さまの修行された天童山へおまいりして坐禅をしたいと思いました。

禅研究所海外研修に参加して今井 進

研修旅行 中国 写真4

 今般、禅研究所主催の中国の北京・大同・太原研修旅行に参加させて頂きました。日中国交回復25年、私は中国へ1度は行って見たいと思っておりました。

 私は愛知学院に就職して本年で30年になります。禅研究所で中国へ行く話を聞き、是非共研修旅行に参加したいと心に決め、杉原学監に相談したところ、快く行くように言ってくれました。

 名古屋空港より北京へ、北京より夜行列車で大同へ、行けども行けども真直に続く鉄道、大同よりはバスの旅、雲崗石窟群のすばらしい仏像。バスの旅は果てしなく続く唐もろこしの畑。景色はほとんど変わらない。中国は大きィ!本当に大陸だと思いました。仏宮寺、南禅寺、五台山、太原へと旅する時、終戦直後の自分達の暮らしを思い出させるようで、自然と共に生きてきたなつかしい思いがしました。

 故宮博物院へ行った時、文化大革命の10年間で貴重な遺跡が損傷、破壊されているのを見て、“本当に残念だな”と心から思わずにはいられませんでした。

 研修旅行に参加してほんとうに良かったし、私の心に残る一ページとなりました。

 今後、私のような門外漢の方でも禅研究所の行事に一人でも多くの方が参加されることを期待します。

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