令和六年度の研修旅行は、8月28日・29日の2日間で、滋賀県の琵琶湖東岸を訪れました。参加者は16名でした。
初日、貸切バスで本学日進キャンパスを出発すると、大変な渋滞に巻き込まれるなどしましたが、まずは滋賀県彦根市に到着し、市内の曹洞宗寺院・清凉寺に拝登しました。拝登諷経を修行した後、清凉寺御住職の村瀬行寛老師から同寺の由来などをお話しいただきました。その後、彦根城に登り、現存十二天守の一つを要する本丸や、庭園を周遊しています。その後、長浜市内へ移動すると、日本でも最小クラスのウイスキー蒸留所である長濱蒸留所で昼食を取り、黒壁スクエアとして整備された同市内の中心部を観光しています。
2日目は、名古屋にも出店しているクラブ・ハリエの旗艦店であるラ・コリーナ近江八幡を見学すると、八幡堀の散策や日牟禮八幡宮を参拝などを各自行い、郷土料理の昼食を取っています。また、安土城天主信長の館を訪れ、愛知県が生んだ三英傑の1人である織田信長の事績を学び、滋賀県内でも最古の歴史を持つ湖東三山の一、天台宗金剛輪寺を拝登し、国宝の本堂を見学して、多くの仏像を見ることができました。
時期としては、九州から徐々に台風が迫っている状況でしたが、大きな混乱もなく研修を行うことができました。
この度、令和6年度の禅研究所参禅会研修旅行に参加させていただいた。私が大学院生の時に参加した時以来で、約10年ぶりの参加になる。今回の旅先は滋賀県であった。1日目に祥寿山清凉寺を拝登した。私個人の意見になるが、この研修旅行の醍醐味といえば、各地の寺院を拝登することだと思っている。清凉寺は井伊家の菩提寺として知られている。山門をくぐると、境内には立派な建物が建っており、大きなタブノキがあったのが印象的であった。本堂で諷経を終え、住職の法話を聞き終わったのち、各場所を回った。どれも魅力的な場所ばかりであったが、中でも坐禅堂は圧巻であった。坐禅堂は約百人が坐禅できる規模で、本山で修行した私自身もここで坐禅がしたくなる気持ちになった。
2日目は台風の影響で天候が悪化し、予定が大幅に変更された。当初の予定では、最後に百済寺に拝登するはずだったが、あいにくの天候で行けなかった。百済寺は天台宗の寺院であり、3〜4世頃に成立した百済王朝と関係があるかもしれないご寺院とされている。百済といえば、大和王権と関係があり、朝鮮半島南端にあった加羅地域を援助するために新羅と高句麗と戦った歴史がある。とても興味のある場所であったため、拝登できなかったのが残念であった。急遽別の寺院に拝登することになったが、歴史ある寺院で、とても素晴らしいところであった。今回の研修旅行は天候に左右されながらの旅行であったが、久しぶりの寺院巡りはやはり格別なものであった。この素晴らしい研修に誘ってくださった禅研究所の先生方、職員の方本当にありがとうございました。来年の研修旅行に参加可能であれば、よろしくお願いいたします。
さて、次回はどちらへ伺うのでしょうか。今から楽しみにしております。
令和6年度の研修旅行は、8月下旬に日本列島を襲った台風10号に終始翻弄されたことは否めず、当初は台風の直撃を受ける見込みとなり、その実施が危ぶまれるほどでした。結果的に台風は九州方面に進み、嵐が到来する前に研修旅行が実施できたことは奇跡とも感じられました。
初日に訪れた祥寿山清涼寺は、彦根藩第2代藩主の井伊直孝が父直政の菩提を弔うために建立した曹洞宗寺院で、井伊家の菩提寺としての歴史の重みを感じることができました。観光向けの寺院ではないとのことでしたが、坐禅堂をはじめ伽藍はどこも綺麗に整備されており、歴代住職の尽力の賜物と思われました。
今回の研修旅行は琵琶湖東岸の歴史が網羅的に学べるよう工夫されており、初日に訪問した彦根城ほか、翌日に訪れた信長の館では復元された安土城天守閣などを目の当たりにしながら、いかにこの地が歴史の主要な舞台となってきたかを再認識することができました。近江八幡の散策では、豊臣秀次による八幡山城の建造に始まった街の発展の歴史を学び、そこで活躍した近江商人の「自らの利益のみを追求せず社会の幸せを願う」という倫理観に大きな感銘を受けました。街の動脈として機能した「八幡掘」は、「鬼平犯科帳」のドラマ撮影に用いられた場所だと知り、一気に身近に感じられるようでした。
レクリエーションも充実しており、初日の長濱蒸留所と黒壁スクエア、翌日のラ・コリーナ近江八幡など、当地の多彩な文化に触れることができました。
台風のため、天台宗・釈迦山百済寺の代わりに同じく湖東三山に数えられる松峰山金剛輪寺を参詣するなど、やむを得ない予定変更はありましたが、全体として滋賀県の歴史と文化に触れるよい旅でした。
旅行記を執筆するにあたってこれまでの研修旅行を振り返ってみますと、その研修地を個人で再訪した回数の多さには驚かされます。平成27年度に訪問した秋田県の乳頭温泉などは今ではお気に入りになっています。
研究所スタッフが毎年智慧を絞って企画する研修旅行に、今後より多くの方が参加されることを願っております。