愛知学院大学 禅研究所 禅について

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禅の一言  平成26年度

原点に帰る(著・岡島秀隆)

平成26年度度は禅研究所開所50周年・坐禅堂開単35周年の節目を迎えます。講演会や記念式典、記念出版などが計画されています。

この機会に、私は原点回帰という言葉を思い浮かべています。曹洞宗立の教育機関として設立を見た本学の「建学の精神」を具現し、それを内外に普及宣揚することを大目的に掲げて大学キャンパス内に建設された禅研究所と坐禅堂は、日々活動を続けています。しかし、本所の設立目的や本学の教育の原点をすべて「建学の精神」に帰せしめるのは、いささか教条主義的な気がいたします。

さて、私が初めて研究所に着任した三十数年前、事務室に飾られていた初代所長伊藤猷典博士の写真がとても印象的だったのを覚えています。書架には先生校定の『碧巌集定本』がありました。さらに、先生の『教育史概説』と『宗教教育概説資料』数冊が収蔵されていました。最近あらためてこれらを紐解いてみました。その印象を述べると、誠に伊藤先生は教育者でありました。『宗教教育概説資料』の発刊の経緯を読むと、それはかつて駒澤大学と愛知学院短期大学で開講された「宗教教育概説」の講義原稿を上梓したものとわかりました。

その内容を眺めてみると、先生の大変広い視野と学生への慈愛の眼差しが窺えます。今日禅研究所は、「建学の精神」を体しながら、禅仏教研究の一層の深化とその教えの普及、そしてそれに基づく社会貢献を目指そうとしています。だが、こうした目的は、結局、禅という宗教に基礎づけられた「人間教育」、「人づくり」を抜きにしては成立しません。伊藤先生の宗教教育への熱意は、本学・本所の原点がそこにあることを再確認させてくれました。

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